人身傷害による主な項目

精神疾患に罹患した場合に生じる人身傷害の種類としては、大きく「財産的損害」「精神的損害」があります。
「財産的損害」とは、法律上保護に値する利益(財産権や生命、身体)の侵害によって生じた財産上の損害をいい、「精神的損害」とは精神上の損害をいいます。よく慰謝料とよばれる損害は、「精神的損害」にあたります。

そして、「財産的損害」には、被害者が直接支出した損害をいう「積極損害」と人身傷害がなければ得たであろう利益をいう「消極損害」に分けられます。前者の具体例としては、治療費があり、後者の具体例としては、後遺症・死亡による逸失利益、休業損害があります。

また、従業員が罹患した精神疾患が労災認定を受けた場合、会社の管轄の労働基準監督署へ手続きをすれば、労災保険が給付されます。

「労災」とは、労働者が仕事上、通勤上の災害に対して行われる労災保険(労働者災害補償保険)をいいます。

その認定には、

①認定基準となる精神障害を発病していること
②精神障害の約6ケ月間に業務による強い心理的負荷が認められること
➂業務以外の心理的負荷や個体側要因により精神障害が発病したとは認められないこと

が必要となります。

支給される主な給付金には、以下の3つがあります。

1.療養補償給付

療養補償給付は、労働者が業務災害によって負傷・疾病し、療養する場合に支給される保険です。具体的には、病院通いでかかった治療費や交通費などが支給されます。

この保険は自己負担がありませんので、労災指定の病院ならば原則無料で治療を受けられます。

2.休業補償給付

業務上の疾病により療養中のため、賃金を受けられない場合に支給される保険です。

この給付は、療養中の精神疾患が業務上生じたことが要件となるため、うつ病の原因が私生活上のストレスが原因である場合には、支給されないことになります。この場合には、健康保険から給付金が支給されます。

3.障害補償給付

障害補償給付は、業務上の疾病が治癒した後、障害が残ったときに支給される保険です。

第1級から7級の重い障害に対しては、「障害補償年金」が支給され、第8級から14級までの比較的軽い障害に対しては「障害補償一時金」が支給されます。なお、年金は障害が続く間支給されますが、一時金は1回支給されるだけです。

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